家族の形

つい先日、新婚夫婦が「やっと新婚旅行のお土産を渡せます」と言って会いに来てくれた。結婚式にも出席して、スピーチまでさせてもらった仲の二人だ。いつも仲良さそうにしているのを見ると、こちらも幸せな気持ちになる。

 

「結婚したら、次は子供」という目で見られると言う。時代が変わっても、大衆の短絡的な考え方は変わらないのだと感じる。それをぼんやり聞いて流せる人はいいが、傷つく人もいるかもしれない。実際、この夫婦は「できなかったら養子もいいかなと思っている」と打ち明けてくれた。

 

実は以前、自分も考えたことのあることだった。なかなか子供ができない夫婦にとって、心のどこかにある選択肢の一つなのではないだろうか。まだ日本では馴染みが薄い取り組みなだけに、子供の将来や家族の将来を考えると即決できるようなことではない。そう、“馴染みが薄い”ということが、“少数派だ”ということが、どうしても日本社会ではマイナスに感じられてしまう。

 

不妊治療をしている夫婦は多い。特別養子縁組に対して良い感情を持っていない人もいるかもしれない。しかし家族は血縁だけで結ばれているわけではない。いろいろな形があって、当たり前だ。

 

タカラジェンヌで女優の瀬奈じゅんさんが特別養子縁組で一児の母となったことを公表したそうだ。著名な方が養子を迎えたと知って、そのことを公表した意図がわかる気がした。何も特別なことではない、家族を迎えただけです、これが私の家族です、と言っている気がする。