広島県・市教員採用試験一次試験

今回の大雨で各地で教員採用試験の延期が決定する中、広島県広島市は本日7/14(土)に予定通り試験を実施。岡山の1次試験が一週間延期になったため、広島県広島市と日程が重なる事態に。受験生の中には併願する者も多いため、第一希望の自治体受験に絞られた形になった。

 

大雨の影響が気になる中、主として広島市内にある試験会場にたどり着けなかった受験者もいたのではなかったか。東広島市の状況や芸備線近郊、瀬戸内海の島しょ部はいまだに生活自体が脅かされている。今朝、試験会場で聞いた受験者の話では「家が流されて住む場所を転々としながら今日を迎えた」という者もいた。

 

JR(山陽本線)がなんとか臨時ダイヤで運行可能になったり、新幹線による代替運行がスタートしたりしたことを見越して実施に踏み切ったのだろうが、多くの受験者はどのように捉えただろうか。

 

受験会場に集まった多くの教員候補の中には講師として学校に勤務している者もいる。        つまり学校を建て直すための人材であることを指す。採用試験がなかったなら、学校の活動再開に集中できたのではないだろうか。

 

採点に時間がかかるため、1次試験の合否結果を出して、二次試験までの全行程を夏休み期間中に終えるにはできるだけ予定通りの実施が必要だったに違いない。マークシートに頼らず、完全記述式の試験を続けてきた落とし穴がこんなところにあったとは予想だにしなかった。いくら駐車場所を確保したからといって、各会場に辿り着けない受験者全員に配慮できたとは言えない。

 

広島県広島市の教育を担っていく人材を確保するため」「被害地域だけではなく、多くの家庭や子供たちのことを考えなくてはならない」という面が多分にあるのは理解できる。しかし何かがひっかかるのも事実だ。

 

来年以降は諸般の事情で採用試験自体を延期するということを視野に入れた対応が望まれる。