広島の子供たちに朝食を

学校の近くで平日の朝食提供を依頼する方針を広島県が打ち出した。朝食欠食はかなり以前から問題視されてきたことだが、先駆的に福岡市や高知市が取り組み始めているという。

 

「子ども食堂」の活動が全国的に広まってはいるが、なかなか朝食を供するとなると難しさが伴う。子供たちの登校に間に合うように朝食の準備をするのは大変だ。学校の近くに施設を探すというのも簡単ではない。地域の民生委員や児童委員の協力を得るとしているが、地域によってはなり手不足で困っているところもある。

 

ただ、NPOや個人の善意に任せておくのではなく、広島県が主導して助成していくことには意義がある。広島ではなかったが、いつ頃だったか、家庭の事情で朝食を摂れない子供に学校の保健室で牛乳とビスケットを出していたところがあった。学校なら食べ物を扱うことに抵抗はないはずだし、登校中の子供が寄り道することもない。各学校での対応も(いろいろ問題はあるかもしれないが)可能になる。予算や人員の課題さえクリアできれば、検討されている形以外でも実現できそうだ。

 

広島県が実施した生活実態調査では、子供がいる家庭の約4分の1が「生活困窮層とその周辺層にあたるそうだ。学校の負担になることなく、子供たちの成長を支えられることが1番の理想である。