「クローン」の猿

羊の「ドリー」以来の衝撃だった。

クローン技術で元の個体と全く同じ猿が誕生していた。中国科学院のチームが先月発表したものだ。羊の時よりも衝撃度が高いのは、霊長類である点だ。人間と近い。技術的には「ヒト」のクローンが作れる、と誰もが連想してしまう。

 

昨年のノーベル文学賞を受賞したカズオ・イシグロの作品に『わたしを離さないで』という小説がある。人間のクローンによる臓器提供がテーマだ。もうすぐ現実になる可能性があると思うと恐ろしい。どこかで知らない間にクローン人間が誕生していてもおかしくないところまで医学は発達している。