N高校

 2016年に開校したN高校がスゴイ。

4月からは横浜・大宮・千葉・名古屋・福岡に通学コースのキャンパスができる予定だ。ネットで自由に学べるという強烈な印象があるが、実は通学コースも充実するという。別に宣伝するわけではないが、こういった学校をフレキシブルスクールと呼ぶのではないか。

 

28年度の小学校・中学校合計の不登校者数は13万4千398人。この人数は全体の1.35%だが、日本の教育の限界を感じざるを得ない。 国公立学校の合計なので、私立国立ともに不登校は存在するのだが、特に学校数の多い公立学校の問題は大きいようだ。

 

文部科学省が発表した10月の速報値を見ると、小学校も中学校も高学年になるにつれて不登校の人数が増える。ということは、子供が小さいうちは不登校にならなくても、成長とともに不登校になるおそれが増すということだ。以前、不登校フォーラムに行ったことがあった。ある大学の学生が主催したそのフォーラムには、不登校の子供の親や学校教員が参加していた。不登校の経験を持つ人の話を聞き、生徒指導を専門とする先生の講演を聞いた。その講演後、ある保護者が現在の不安を吐露し、泣き始めたのが印象的だった。

 

そうなのだ。子供が不登校になって苦しいのは子供ばかりではない。親や兄弟姉妹も辛くなる場合が多い。家庭全体に陰を落とす。

 

小学校と中学校の不登校の要因として、学校に係る状況では「人間関係」と「学業不振」が桁違いに多い。インターネットでつながる世界は冷たい視線から逃れることができる。自分をさらけ出すこともできるかもしれない。子供たちの将来を拓くことができるなら、思い切って就学地域から出てみるのも悪くない。インターネットには境界はないのだから。

 

 

認識の転換も迫られている。

小学校・中学校は義務教育だが、登校義務を意味するものではない。

学校に縛られてずっと辛い思いをするくらいなら、そこから離れてフリースクールやボランティアによる勉強会、塾や習い事などに目を向けるといい。今はインターネット上で学習支援をしているところもある。

 

N高校は、多様性を尊重する時代だからこそ誕生した学校だ。こういう学校がもっとあればいい。そして公教育を変えるくらいの勢いが作れたらいい。理想を支える制度を期待したい。