2018全国学力学習状況調査

広島県の場合

 

ここ数年上位にランキングされてきた広島県。小学校・中学校ともにデータに出ている数値は高かった。学校が疲弊していなければいいが…という不安を吹き飛ばす快進撃は続いた。

 

しかし、今年の学力調査では異変が起こった。小学校は全国都道府県の中で第5位の学力結果となったが、中学校では第24位にとどまった。もちろん、序列がすべてではない。しかし、この結果は何かを示しているようにならない。

 

広島は昨年から今年にかけて教員の懲戒処分にも異質さが際だって見えた。それを隠すことなく「なんとかせねば」と取り組んでいる姿が見てとれる。今夏の教員採用一次試験で、グループワークに「わいせつ事案」を元にした課題が出されたのだ。広島においては、男女の別なく教員のわいせつ事案が目立った。それぞれの学校で評判の良い教員も多く、衝撃が走ったものだ。

 

さらに教員不足も深刻だった。一時は県全体で40人ほどの教員が不足しており、講師の確保が難しい状態だった。講師が不足したことで中学校の授業実施が滞るということも起きた。(行政の不手際が指摘されているが??)

 

広島は公立の中高一貫校がある。広島県立と広島市立の2校だが、来春生徒を募集する広島叡智学園や三次を含めると4校になる。広島叡智は全国募集になるので、開校してみないことにはわからないが、広島県内の中学生の人数には限りがあるのだから、学校によって学力の偏りがじわじわ出てくるのは(今のままだと)当然のことだと思う。

 

中高一貫の良さはたくさんある。しかし、生徒の中には「学力向上策」についていけない者もいるのではないだろうか。もちろん学力を付けることは大切だが、授業に遅れがちな子や学校に来れない子のケアを忘れてはいけない気がする。

 

教育行政の力の見せどころだ。