アクティブラーニング

アクティブラーニングについての興味深い記事に出会った

 

ベネッセ教育情報サイトを眺めていたら、非常に鋭い指摘をしている記事(私が言うのもおこがましいが)に出会った。

 

全国学力・学習状況調査の結果を、AL(アクテイブラーニング)を積極的に実施している学校とそうではない学校という2つの実態から見ているものだ。この点については予想通り(?)ALを積極的に実施している学校のほうが、子どもの学力が高いということを証明している。文部科学省が新学習指導要領に掲げるものなので、当然かもしれない。

 

だが、この先の視点が鋭いのだ。                                                     ここに就学援助を受けている子どもの在籍率を絡めて、「ALは、経済力のある家庭の子供の学力をより向上させて学力格差を拡大する」と分析しているのだ。その背景には、家庭の文化資本格差があるということも指摘されている。

 

文化資本とは、豊かな体験や教育環境などである。具体的に挙げてみると、星空観察・キャンプなどの自然体験や家庭での読書環境などがあてはまる。日々の積み重ねが、子供一人一人の感性や情緒の基盤を作っていくのだ。これが経済力の高い家庭には用意されているということになる。そしてAL実施後の「成長格差」に直結する。

 

広島市佐伯区出身の元陸上選手、為末大さんがインタビューで、                                                      「子供がスポーツをするにしても困難な場合がある」と経済的貧困を語っておられたことがある。

 

確かに本格的にスポーツをすると、ウェアやシューズ、専門的な指導、時間の捻出など          さまざまな点で負荷がかかる。公教育の範囲で準備しようとすると限界があるのだ。学力についてはもっと繊細なことが言えそうだ。なとなくわかっていたことが、数字で示されたということになる。

 

学校は(文部科学省は)体験活動や読書活動を推進してきた。時代の変化とともに家庭や社会で困難になっている教育環境の整備を学校でやろうとしているようにも見える。

 

しかしすべてを学校教員の手で実施するには無理がある。公教育がすべきことを再考しなければならない時期に来ているような気がする。