学校のICT格差

学校のICTが推進されてきている。コロナウィルス感染症の影響を背景に加速化しているのは事実だ。しかし、令和3年9月現在広島県一つとってもばらつきが大きい。地域間格差・学校間格差がありすぎる。特に推進が進んでいるのは広島市だ。電子黒板の様々な機能を使って授業をすることが当たり前になっている。

 

しかし、県内の地域によっては、プロジェクターの設置さえおぼつかないところもある。そういう学校では熱心な教員にとってプロジェクターの効果を試すことさえできないのは当然ながらもどかしく感じる。ではどのように主体的な学びを生み出しているかというと、自前で用意するのだ。先生によっては、事務を通して購入やら修繕やらを頼むのは(気持ち的に)難しいので、すぐに試せる方法として自分のプロジェクターを使うということに至ったらしい。このような教員は一人二人ではない。

 

プライベートで所有しているものを活用するというならまだ分かるが、授業のためだけに購入計画から練る人もいる。学校で使用される機器は一定の性能が必要になる。「明るく広い部屋で使用できる物がいいからね」と悩んでいた先生は、結局自腹で○○万円するような物を購入していた。いずれ電子黒板が普及すると考えても、それを待っていられない気持は痛いほど分かる。

 

機器が揃っていればいいかというとそうではない。どう使うかが重要だ。自分も授業にZOOMを使用しているが、対面オンリー/対面とZOOMの併用/ZOOMオンリーで気を遣う部分が違ってくる。対面オンリーだと黒板の使用も効果があるが、ZOOMオンリーだと逆に制限がかかる。ZOOMオンリーだと画面共有が使えるが、対面とZOOMの併用だと教室にいる人には見えないなどだ。どういうシチュエーションで誰を相手に授業をするかによって、不都合な使い方を削っていくしかない。

 

パソコン1台で手軽に始められる良さはあるし、他の機器との組合せを考えると用途選択は広がる。多様な生徒の実態に応えるためにも、いろいろできる今がチャンスかもしれない。