朝食欠食

広島県のある高等学校で昨年高校一年生全員にアンケートを実施したところ、朝食を摂ると応えた生徒が58%だったそうだ。その数字を耳にしたときは驚いた。4割以上の生徒が朝食を食べずに登校していることに唖然とした。学校に到着するまで歩いたり自転車をこいだりして体力を使うし、昼食の時間まで体力が持つのか心配だ。

 

しかも朝食にポテトチップスのようなお菓子だけという生徒もいたらしい。それは朝食と言えるのだろうか?文部科学省がずっと推奨してきた「早寝・早起き・あさごはん」は、浸透してこなかったのだろうか?       

 

朝食摂取率58%を裏付けるような調査結果が出ている。                     3月30日に国立青少年教育振興機構は「高校生の心と体の健康に関する意識調査」を公表した。日本、アメリカ、中国、韓国の4カ国で高校生の実態を調査したものだ。日本の高校生1706人のうち、朝食を食べると回答したのが73.5%だったのだ。4カ国では最も高い数値なのだが、決して安心してはいけない。現実的に考えると高いとは言えないからだ。

 

先に挙げた高等学校で朝食欠食が多いことに注目したが、一校だけの問題ではなかったようだ。58%と73.5%の開きがあるのは、学校や地域、学年によって差が出る場合もあるのだろう。課題として受け止めて改善策が欲しいところだ。

 

高校生になると、ダイエットやぎりぎりまでの睡眠など、優先すべきことがあるというのかもしれない。しかし心配なのは心身のバランスを崩してしまうことだ。成長期にあって、多感な時期でもある。悩みを抱え込みやすい年代だ。

 

「朝食欠食」は、高校生くらいになれば(解決する気になれば)自分から対応できることだと思う。ほんの少しのきっかけが高校生の朝食を変えるかもしれない。

 

広島県子供食堂の朝食提供を支援することを決めている。高校生にボランティアとして働いてもらって、朝食の意義に触れる機会を与えてもいいのではないかと思った。私をはじめとした大人を含め、みんな自分のことはよく見えないが、客観視できる状況があれば問題も表面化しやすい。それと同時に高等学校の家庭科の授業やホームルームで“簡単朝ご飯レシピ”を生徒へ発信し続けるというのもアリだ。(また学校の先生方頼みで心苦しいが。)

 

こんなことを書いているが、私は忙しいと昼食を食べないことが多くなる。しかし顕著に体力を奪われる。年齢を重ねると食べ物の力をイヤと言うほど思い知らされる。それを伝えるのも周りの大人の役割なのかもしれない。