福山市の中学校で重大事態

 

いじめ防止対策推進法の第28条に規定がある「重大事態」

 

法規から引用。

一 いじめにより当該学校に在籍する児童等の生命、心身又は財産に重大な被害が生じた疑いがあると認めるとき。
 二 いじめにより当該学校に在籍する児童等が相当の期間学校を欠席することを余儀なくされている疑いがあると認めるとき。

 

 

福山市の中学校二年生男子生徒が同級生男子に押されて右手親指の付け根と左手首を骨折。4月のことだった。5月16日、ケガをした男子生徒に学校が話を聞いたところ「小学校の頃からイヤな思いをしてきた」「きれたら何をするかわからない」と言ったそうだ。

 

これはいじめだ。

 

いじめ防止基本方針の「重大事態の意味について」の記述には「生命、心身又は財産に重大な被害」について、児童生徒の状況に着目して判断するとされている。

 

そして、以下のケースが想定されると示している。
○児童生徒が自殺を企図した場合                              
○身体に重大な傷害を負った場合
○金品等に重大な被害を被った場合
○精神性の疾患を発症した場合

 

学校は骨折した男子生徒の発言を聞いて、全校集会を開き、アンケートを実施した。

 

客観視してものを言うのはどうかと思うが、学校の対応が遅すぎる。学校の先生方は“骨折”と聞いて何も感じなかったのか。担任は、学級の人間関係をどのように見ていたのか。

 

いじめ発覚までの一ヶ月もの間、いじめられてきた男子生徒はどのような思いで登校していたのだろうか。親に相談することも、先生や友だちににうちあけることもなく済ませるつもりだったのだろうか。骨折させた男子生徒は何を考えて過ごしてきたのだろうか。

 

これは事件だ。                                                            二度とこんなことが起きてはいけない。学校は安全安心な場所でなければならない。

 

しかし学校からイジメはなくならないだろう。                                            学校にもっと多くの大人の目が必要だ。せめて重大事態が続発しないよう、生徒指導加配の教員を全校レベルで考えるべきだ。