「電子麻薬」と書いて…

フランスでは、電子デバイスを学校に持ち込むことを禁止する法律(2018年)があるそうだ。スマホを含むiPadなども対象になる。日本は教育のデジタル化を推進しているから、まるで逆の扱いだ。

 

確かに電子端末の利点は大きい。コロナ禍で他者とつながるためには不可欠な存在だろう。学校で配付するプリント類などの削減にもなるし、保護者と学校をつなげるにも役に立つ。英語等の教科学習では、リスニングのための音源にもなる。写真が撮れるので、教室の中でのコミュニケーションツールにもなる。意外に良いところばかりで驚いてしまう。学校の先生の中には、タブレット等を嫌って、やたらプリントを配付し、紙の辞書を使いたがる人もいるが、児童生徒から見ればそういう先生はたいてい「おばあちゃん」「おじいちゃん」のイメージだという(息子に聞いた)。

 

ちなみに自分は辞書は男子辞書を使用しているし、デスクトップパソコンとノートパソコンを所有している。主として仕事のためだが、スマホは仕事にもプライベートにも使用中だ。だからと言って、紙が良い場合もある。教室に持ち込むテキストに関しては、パソコンの中のデータを覗くよりも紙の方が断然いい。電車やバスの中で読むのも紙の方が持ち込みやすい。

 

小学生の所持率も高くなってきたスマホを筆頭に、その利用方法として懸念されるのは「ゲーム」の存在だ。ゲームにもいろいろあるが、特にアバターを介して見ず知らずの人と会話ができるものは犯罪とつながりやすい面がある。インターネット上でゲームができるようになってその娯楽性は高まっているが、夢中になりすぎて、現実の世界で生活するよりも仮想現実にはまってしまう子どもがいるのも事実だ。昼夜逆転現象が起こるのも中毒性を持つゲームならではだ。

 

中国では子どもたちのネットゲームなどを規制する方向らしい。中国のことだから、決めたらとことん規制するのではないだろうか。「電子麻薬」と書いて「ネットゲーム」と読む。なるほどな、と思わされる一面がある。